
男性育休座談会
あれからの僕たち
~経験者が男性育休のリアルを語る~
(株)共立エンジニヤ
技術一部 設計課・主査
伊藤 隆洋さん
第一子女子7歳、第二子男子2歳
趣味:釣り・映画鑑賞
(株)テクノプロジェクト
バリューディスカバリー部
藤田 恭輔さん
第一子女子3歳、第二子女子0歳
趣味:ジョギング
石見ケーブルビジョン(株)
制作編成部制作課 主任
出川 優介さん
第一子男子2歳、第二子女子0歳6か月
趣味:ガーデニング、家庭菜園、カメラ
松江土建(株)
建築部工事課・副主任
後藤 優太さん
第一子男子1歳半
趣味:キャンプ
(社福)島根県社会福祉事業団
障害者支援施設厚生センター晴雲 主任支援員
土井 康成さん
第一子女子4歳、第二子女子1歳
趣味:ガーデニング
目次
- テーマ①
育休で見えた、自分と家族の変化 - テーマ②
育休を経験したからこそ話せる、ワークとライフの捉え方 - テーマ③
これからの自分、そして次の世代へ
※本記事の内容・所属等は2025年11月18日時点の取材内容に基づき作成しています。
※インタビュアー:岩本 泰平 氏(日本海テレビジョン放送アナウンサー)
妻の緊急入院を救った「1人目の経験」

岩本アナ- 今日は「あれからの僕たち ~経験者が男性育休のリアルを語る~」と題して、去年(2023年)と一昨年(2024年)にかけて取材をさせていただいたみなさんに集まっていただきました。皆さん顔つきが一段とパパらしくなってますね!
一同- (笑)。
岩本アナ- まず皆さんと一緒に考えていきたいのが「育休で見えた自分と家族の変化」についてです。当時を振り返って、「あの時育休を取ってよかったな」と感じる瞬間、それぞれありますか?
藤田さん- 1年前(2024年)の12月に2人目が生まれたんですけど、1か月ぐらい経ったころ、妻がだいぶ体調を崩しちゃって、正月から2泊ぐらい入院したんですよ。それで、生後1か月の子と、何も知らない2歳半のイヤイヤ期の子といきなり3人になってしまって。大変だったんですけど、それでもなんとかなったのは、1人目の時に育休を取ってたおかげだなと。
岩本アナ- その状況でママがいないっていうのは・・・。
藤田さん- 育休経験がなかったら絶対もう終わってたと思います(笑)。本当に1人目の経験が活きた、良かったと思った瞬間でした。多分妻もその経験があるから多少安心してくれたんじゃないかなとは思っています。
岩本アナ- 奥さんも療養に専念できたと。出川さんはどうですか?
出川さん- 僕は今年、2人目が生まれて、1か月の育休を取ったんです。 で、実はちょうど今すごく仕事が忙しい時期に入ってまして、クリスマスの生放送特番のリーダーを任せてもらっている関係で、帰るのがすごく遅くなってて。帰ったらもう22時~23時とかなので子どもと会える時間が取れてなくて。
岩本アナ- はいはい。
出川さん- これで育休を取っていなかったら、本当に2人目の子との時間が取れてなかったというか。その1か月間が集中して下の子に接してあげられた時期だったなと。育休取ってて良かったなと思ってます。
岩本アナ- その育休の期間がないと全く触れ合うこともなく、成長を近くで見ることもなく、時が過ぎていった可能性があるということですね。
事例が育む「当たり前に取れる」空気感

岩本アナ- 出川さんと藤田さんは以前のインタビューのあとで2回目の育休を取られていますけど、1回目と比べて意識が変わったとか、工夫していることとかありますか?
藤田さん- 社内との調整という意味では、1人目の時もスムーズだったんですけど、2人目の時はもっとスムーズにできましたし、引継ぎもしっかり準備できました。あと、職場復帰もやっぱり2回目の方がスムーズにできた実感はあります。
岩本アナ- 2回目の方が全体的に全部のハードルが下がっているというか。
藤田さん- そうですね。
岩本アナ- ご夫婦の間で、2回目も取るというのは決めてたんですか?
藤田さん- そうですね。取らないという選択肢はなかったですし、取る前提で家庭内の話も進んでいました。会社の方も全然OKという感じだったので。
岩本アナ- 探り探りの1回目とは違って、もう育休前提で話も進められたと。で、育休取って復帰した時もスムーズで。
藤田さん- そうなんです。育休明けの仕事復帰って結構大変なんですけど、そこの経験値っていうのも、2回目は感じましたね。
岩本アナ- 育休明けの仕事、僕もちょっとソワソワしました。いきなりニュースを読んだんですけど、「生放送ってこんな時間感覚で合ってたかな?」みたいな。探り探り仕事をやっていたので、結構長く感じましたね。
出川さんは奥様と同じ職場ですけど、2回目はどうでした?
出川さん- 僕も本当にスムーズで。年度末ぐらいが出産予定日だったので、年明けから準備期間についての相談もさせてもらいましたし、本当に社内がまとまったというか、男性も育休を取るのが当たり前だよねっていう雰囲気になってたので、すごく取りやすかったです。
岩本アナ- やっぱり1人が取って事例ができると、会社もそれが当たり前になって、次に繋がっていくんですね。
出川さん- ですね。とりあえず社内にも抵抗感みたいなことは全くなかったですね。女性の育休と同じように、男性も取っていくのが当たり前っていう雰囲気になっているなと。
岩本アナ- そうなってくるんですよね。 伊藤さんも、社内の男性で初の育休取得でしたよね?
伊藤さん- そうなんです。会社も初めてなので、社内規定の整備も本当に始まりの感じで。でも総務担当の方がしっかり整備してくれました。次からは育休がとても取りやすい環境にはなっていると思います。
お風呂の習慣と「バスボール」の誘惑

岩本アナ- では次の質問に移りますが、育休中にやっていた習慣が今も続いているとか、何かそういうのがあったりしますか?
後藤さん- お風呂に入れることですかね。
岩本アナ- ああ!お風呂は割とパパの仕事みたいな位置付けになりますよね。
後藤さん- そうですね。今も大体一緒に入ってますね。
岩本アナ- いいですね。子どももいつまで入ってくれるか分からないですしね(笑)。たまに面倒くさいなと思っちゃう時もありますけども。
土井さん- 「今日はママがいい!」とかもありますよね。
一同- (笑)。
藤田さん- 3歳ぐらいになると急にそれが出始めますよね(笑)。
岩本アナ- あと、入浴剤。キャラクターのフィギュアが出てくるバスボールじゃないと嫌だとか。
土井さん- ありますよね!「今日ブクブクする!」って。
出川さん- バスボール、何歳から解禁しました?
岩本アナ- 解禁ですか(笑)。割と早かったと思いますけど。
出川さん- うちはまだ使ってないんですよ。
岩本アナ- 2~3歳ぐらい?好きなキャラクターができ始めてからじゃないですかね?
土井さん- 「こんなのがあるよ」って出したらもう最後です(笑)。
一同- (笑)。
岩本アナ- 安いものじゃないですからね。ブクブクブクってなって、中からちっちゃい人形が出てくるだけで。
土井さん- 一瞬キャッキャって喜んで、それで終わりですからね(笑)。これで何百円。
岩本アナ- でもなんか、喜ぶ姿が見たくて不思議と買っちゃうんですよね(笑)。
出川家はいつ解禁を?
出川さん- それが恐ろしくて手が出せないんですよ。
一同- (笑)。
岩本アナ- 知らない方が親としては助かりますもんね(笑)。
お菓子とかもそうですけど、スーパーでも子どもが好きなキャラクターとかだけまとめてあったりするんですよ。
出川さん- レジ前とかですよね。
岩本アナ- そうそう(笑)。ちょうど子どもの目線にあったりするんで、手ごわいんですよ。
伊藤さん- ある程度大きくなると、買い物中に子どもが勝手にカゴの中に入れてきません?
一同- (笑)。
岩本アナ- ありますねー!
土井さん- また「お母さんが欲しいかなと思って」とか言ったりするんですよ。絶対ウソやん(笑)。でもそう言われると注意しづらい(笑)。
岩本アナ- パパなら買ってくれるみたいなの思ってるかもしれないですね。僕らやっぱりチョロいですから(笑)。
「名もなき家事」の大切さ

岩本アナ- 他に何か続いている習慣ってありますか?
土井さん- うちは寝かしつけを主に妻がやってくれているので、その間に他の家事をできる限り私がするような形でやってます。夕食の皿の片付け、散らかっている部屋の掃除とかですね。
岩本アナ- お母さんが寝かしつけから帰ってきたらすっきりしてる状態に。
土井さん- 「お!きれいになってんじゃん!」って(笑)。
岩本アナ- でも大切かもしれないですね。いわゆる「名もなき家事」に当たるところだと思うんですけど。
土井さん- そうですね。
岩本アナ- 子どもを寝かしつけるのって時間がかかるから、そこでやっておくと、自分も楽になりますからね。
土井さん- ですね、気持ちもすっきり。
岩本アナ- 洗濯物の量とかも多いですから。
育休経験を伝え、後輩の背中を押す

岩本アナ- では次の質問ですが、育休当時の経験を今の職場で何か活かしていることとかありますか?
土井さん- 自分が体験したことを、これから育休を取るかもしれない後輩に率先して話すようにしています。期間はこのぐらいで、とか、手続きをするのは大体2か月ぐらい余裕を持ってすると、お互いスムーズにできるよなんていう話をしています。
岩本アナ- 後藤さんは建築現場の仕事ということで、業界的には育休は珍しいですよね。何か社内での意識の変化とかを感じられました?
後藤さん- 僕が建築部の現場職員では最初の育休だったんですけど、その後、現場職員でも育休取得者は増えています。
岩本アナ- すごい。やっぱり現場はなかなか取れないみたいなイメージがありますけど。
後藤さん- 自分の時はタイミング的にも、現場が終わりかけで取りやすかったんです。忙しい時期とかだとちょっと難しいこともありますね。
岩本アナ- それでも後に続いて取る人が出てきているということですから。後藤さんのところにも相談とかありました?
後藤さん- 特にはなかったですけど。
一同- (笑)。
第3子の誕生へ。育休がもたらした確信と変化

岩本アナ- 土井さんは長女に寂しい思いをさせたくないと思って育休を取られたと取材の時におっしゃってましたけど。その後、娘さんとの関係はどうなんですか?
土井さん- 良好ですね(笑)。育休が取れたからこそ上の子を保育園に送ったり、日々の食事だとか、日常の生活が送れたので。すごくありがたいことだなと思ってます。 実は今度3人目が2月に生まれるんです。
岩本アナ- え!おめでとうございます!
一同- (拍手)
土井さん- また育休を取る話で進んでいます。今度は4歳の子と1歳の子、2人としばらく過ごすことになるんですけど。でも「どうしよう・・・」というのがなくて、「まぁ大丈夫だろう」と。
岩本アナ- 自信がついてるんですね。
土井さん- 謎の自信がついて。でもこの謎の自信はたぶん確信へと変わっていくので。
岩本アナ- かっこいい(笑)。
土井さん- やっぱり第二子の時に育休を取れたことで、次に繋がるいろいろなものが土井家で得られたので。これは大きな財産だなと思ってます。
岩本アナ- 大変だと思いますけど、その自信があれば大丈夫ですね。でも3人目を考えるとなった時に、やっぱり土井さんが育休を取ったのも大きかったんじゃないですか。
土井さん- そうですね。職場でも男性の育休を推してくれる空気があって、独自の手厚い制度を整えてくれたりもしました。前向きな仕組みづくりのおかげで、育休を取りやすい環境でありがたく感じています。今後は実際に取得した僕が広告塔になって、その良さを周囲に伝えていくことも役割かなと思ってます。
岩本アナ- 3人生まれて、2回育休を取ったとなると、もう立派な広告塔ですよ。
土井さん- ですね。「何でも聞いて!」って感じです(笑)。
岩本アナ- 本当に家庭の中でもやっぱり、2人目の時にちゃんとそこで長女の面倒とかを見てくれたから、奥さんも、3人目もいいかと思われたということもあるんじゃないですか?
土井さん- そうですね・・・。そうであって欲しいな。そうだと思います!(笑)。
岩本アナ- 2月ですか。もうすぐですよね。
土井さん- そうなんです。もうお腹も結構大きくなっているので・・・僕じゃないですよ?(笑)。 妻がちょっとしんどい時もあるので、その時には「ちょっと横になってたらいいんじゃない?」というふうなかっこいい言葉もかけられるようになりました(笑)。
岩本アナ- やっぱり育休と子育てと共に、土井さんも進化していってますね(笑)。
土井さん- ちょっと話がそれますけど、私の長女が生まれたのが2月の28日、次女が2月の26日なんです。で、次の子の予定日も2月の後半なんです。
岩本アナ- おおー。ケーキが1週間で3つぐらい必要になるかも!
土井さん- そうなんです。ちょうど27日ぐらいの可能性もあって。そうすると26、27、28。ビンゴなんです。
一同- (笑)。
岩本アナ- 3日連続バースデーになるかもしれないと(笑)。どうなるかは乞うご期待ですけど、2月は土井家が賑やかになることは間違いないですね。
「家族のために」が仕事への活力になる

岩本アナ- 続いてのテーマですが、「育休を経験したからこそ話せる、ワークとライフの捉え方」です。制度の話だけではなく、自分の生き方や働き方、価値観の変化などあれば教えてください。まず、育休を通して働き方や仕事への向き合い方に何か変化はありましたか?
土井さん- より意欲的になりましたね。「さぁ仕事頑張るぞ」みたいな。帰ったらまた子どもたちに会えるし。
岩本アナ- 伊藤さんも、子どもと早く会いたいから仕事を効率よく終わらせて、残業しないように意識していると話してくれましたよね。
伊藤さん- あっ、まさに、それを言おうとしてました(笑)。そうですね。会社では、申請すれば夜勤や残業を免除してもらえる規定が元々あったのですが、社内規定改定に伴い子の対象年齢が引き上げとなり、ますます仕事の効率化に向けたモチベーションアップに繋がるようになりました。
岩本アナ- 手を抜いて帰るわけではないですし、効率化って会社にとっても嬉しいですよね。そうやって考えてもらえると会社への感謝も生まれますよね。
伊藤さん- 最近、社内規定の改定があって、時差出勤を取り入れようという働きかけが会社からありました。 今、米子から松江まで通勤しているんですが、どうしても子どもを妻の親に任せることが多くなって申し訳ないなと思っていたんです。でも時差出勤ができるようになれば、子どもを送ってから出勤することも可能になるので。そうやって、どんどん改革を進めてくださっている社長をはじめ会社の方々には、本当に感謝してます。
岩本アナ- 子どもたちのためだけではなくて、この会社のために頑張ろうというモチベーションにも繋がりますよね。これもまた人材の定着にも繋がりますよね。
伊藤さん- 先ほどもお話があった広告塔ということで言うと、私が第1号で育休を取ったので、会社もメディアなどを通じて宣伝してくださってるんです。そうした発信が相乗効果になって、新しい人材の確保にもつながるのかなと。自分も少しでも役に立てていたら嬉しいです。
会社の理解が社員の定着率を高める

岩本アナ- いいですね。人材の定着という意味で言えば、藤田さんの職業であるIT業界は結構激戦というか。
藤田さん- そうかもしれないですね。
岩本アナ- やはり会社としてカラーを出していかないと、仕事する場所を選ばない分、人材の流出も起こりやすそうですね。
藤田さん- そうですね。うちの会社は長期で取ったのは僕が1人目っていう感じだったんですけど、多分それがずっと続いているようで、僕が知っている限りで男性の育休取得率100%みたいな感じできているので、結構社内の雰囲気は変わったのかなと思いますね。
岩本アナ- 定着率とかってどうなんですか?
藤田さん- うちの会社は業界でも定着率は高い方かなと思います。それも要因はいろいろあると思うんですけど、社員の健康とか、ライフのところとかに気を遣ってくれているというのはすごく感じているので、育休に限らず、非常にありがたいなと思ってます。
岩本アナ- 会社が自分たちにちゃんと向いてくれているというのを感じるということですよね。
藤田さん- そうですね。会社も上司も、そういう空気は最近あるなと感じています。
オンとオフ。仕事も休みの日も全力で向き合う

岩本アナ- 出川さんはどうですか、働き方について。今ちょうど忙しいと話してましたけど。
出川さん- とにかく今が忙しいので、効率化はすごく意識しています。本当にもうプラスのことばっかりで、無駄な残業をしないっていう意識になったし、早く帰って家族の時間を作りたいという思いもできました。たぶん育休取ってなかったら無駄にずっと働いていると思います。
岩本アナ- はいはい。メリハリがないというか。でもそうやってオンオフも切り替えられてるってことですね。休みの日とかどうなんですか?
出川さん- まちまちですけど、遊びに行くって決めた日は子どもを疲れさせるぐらい公園行ったり動物園行ったり買い物行ったりいろんなことをするんですけど、子どもが疲れてそうな時は家の中で積み木したり絵本を読んだり、ちょっとテレビを一緒に見たりとか、そういったところでメリハリをつけてますね。
岩本アナ- 子どもとしっかり過ごしてらっしゃるんですね。普段仕事で忙しいから、休みの日こそ、「休みの日くらいは」って思いますしね。
出川さん- 休みの日はもう本当に仕事のことを考えないように、というか、考える暇もないぐらい子どもにつきっきりでやってるので。
岩本アナ- いいですね。子どももエネルギーくれますし。
後藤さんどうですか?お仕事がかなり忙しい時期もあると思いますけど。
後藤さん- そうですね。忙しい時期でも、子どもが起きている間に帰ろうと思って・・・やることちょっと後回しにして帰ってしまったこともあります。
一同- (笑)。
岩本アナ- それもね、明日の自分を奮い立たせることにつながりますもんね(笑)。
後藤さん- 子どもの顔を見たら体力も回復するので。 明日も頑張ろうって思いますから。
岩本アナ- 後藤さんが帰って玄関開けた時とか、どんな感じなんですか?
後藤さん- 僕のこと「だーだ」って呼ぶんですけど、玄関開けたら「だーだ」って言って来てくれて、喜んでくれます。
出川さん- かわいい(笑)。
岩本アナ- かわいいですねー。そうやって言ってくれるだけで頑張れますよね。たしかに子どもがいることで仕事にメリハリがつくというのはあるかもしれないですね。
土井さんも休みの日とか、どうしてますか?
土井さん- 自分は勤務形態が交替制なので、夜勤とか平日休みがざらにあったりして、逆に子どもたちが保育園に行っている間に一人の時間も比較的あるんですよ。そういう時に最近、それこそ「名もなき家事」っていうんですかね、フロアマットを干してみたりとか、こまごましたことをやってます。
岩本アナ- すごくタフですね。
土井さん- まぁちょっと寝てからですけど(笑)。なんかでも、それがルーティン化してて、それが自然に出来ているのはいいことかなと思って。
岩本アナ- 家庭にちゃんと時間を使おうという意識があるということですね。
次に伊藤さん、仕事と育児の両立で考えていることとか、意識していることはありますか?仕事と育児・家庭の両立、両方大切だと思うんですが。
伊藤さん- 忙しい時って帰り遅くなるじゃないですか。そういった時って完全に妻に任せきりになっているので、帰った時に洗濯物や洗い物が残っていたりした場合は、自分がささっと終わらせるみたいなのを心がけてますね。
岩本アナ- 子どものことで手いっぱいで、残っていることってありますよね。やっぱり1日は24時間しかないので、いかにうまく使っていくかというところで、育休を取ると、結構時間の使い方は上手くなるかもしれないですね。
出川さん- 効率作業ですよね。いかに自分たちの時間を捻出するかという。仕事から帰ると、やっぱり家事が残ってるんですよ。それは妻が子どものことやってくれているので当たり前で。なので、妻が寝かしつけをしてくれているうちに僕がそれを片付けて、洗濯物もやる。その後の妻との2人の時間のために。
伊藤さん- いい表現ですね(笑)。
出川さん- それこそ家事も片付いて時間が余った時、昨日なんかは一緒にゲームやったりとか。
岩本アナ- 素敵ですね。
出川さん- 2人で始めて、1時間ぐらい一緒にプレイする時間を作って楽しんでます。
岩本アナ- 出川さんがそこで家事をちゃんとやっておかないと2人の時間もないってことですよね。
出川さん- ・・・それが終わってないと少し険悪な時間になります。
一同- (笑)。
岩本アナ- でも2人の時間を作るっていうのはいいですね。
出川さん- それがルーティンになってますね。お菓子食べながらゲームをするっていう。もちろん毎日そういうわけにはいかないですけど。たまにあるその時間を大切にしたいっていう思いがありますね。
岩本アナ- いいですね。後藤さん、ワークとライフを両立する上で意識していることなど何かありますか?
後藤さん- そうですね。その、仕事で落ち込んだ時とかも、あんまり家でずっと落ち込まないようにするとか。
一同- (うなずく。)
岩本アナ- 仕事を家庭に持ち込まないってことですよね。
後藤さん- そうですね。それは意識してます。
岩本アナ- ・・・落ち込むこと、ありますよね。
一同- (笑)。
岩本アナ- でもそれを家に持ち込むと家でも仕事みたいになっちゃうから。もう切り替えるしかないですよね。結構大変ですけど(笑)。
土井さん- 僕の場合はそうやって落ち込んだ時こそ、趣味に没頭できるようにしてますね。最近ハマっているのはガーデニングなんですよ。でも自分の時間ができるのが大体夜の10時ぐらいからなので、ガーデニングはなかなかできなくて、その過程の土作りをよくするんです。植物に適した土を配合してかき混ぜるような。こないだも夜中にちょっとベランダに出て、箱の中に砂を混ぜて、ザッザッと作業してたら、ふと、「これ、妖怪小豆洗いだな」と思って。
一同- (笑)。
岩本アナ- 確かに。夜中にベランダでザクザクと(笑)。
土井さん- 「妖怪小豆洗いがここに居るぞ」と思いながらザッザッとやってて。あんまり大きい音にならんように気をつけながらですけど、一つの楽しみとしてできてます。
岩本アナ- 昔見つかった小豆洗いも、正体は子育てが忙しかったお父さんかもしれないですよね。
一同- (笑)。
土井さん- 実はね(笑)。
家電のフル活用と、仕事でのスキルアップ

岩本アナ- 夫婦の時間でも自分の時間でも、いかに上手く家事をこなしていくかで、取れる量が変わってきますよね。そういえば僕も家電を買い替えたなと思い出しました。洗濯機をドラム式にして乾燥までできるようにして、食器洗い機も掃除ロボットも買いました。全自動で。
出川さん- 便利ですよね。
岩本アナ- それをやっている間に別のこともできるので。そういう効率の良さとか、時間をうまく使う方法というのをとにかく模索しましたね。逆にそうやっていかないとなかなか、疲弊してしまいますよね。
少し話題を変えて、育休や子育ての経験が仕事に活きたことがあればお聞きしたいのですが。出川さん、例えば番組作りに何か反映されたりしました?
出川さん- 最近だと子ども達の未来とか笑顔とかにスポットを当てた番組を作りたいなという意識が生まれてきました。たぶん、子どもがいなかったら、20代、30代とか若者にスポットを当てた番組を作ってたと思うんですけど、子どもができたことによって、子どもたちとかその保護者の方にスポットを当てて番組を作りたいなと。
岩本アナ- 素晴らしいですね。ある意味育休や子育てを通して、そういった目線が新しくできたと。
出川さん- だと思います。
岩本アナ- 地域にとってもいいですよね。テレビ番組で働きやすい環境や子育てしやすい環境を普及できるわけですから。
出川さん- 子どもって見てて楽しいし、可愛いので、いろいろな人に見てもらいたいなっていう思いもありますし、親御さんもテレビでなかなか自分の子どもを見る機会はないと思うので、良い思い出にもしてもらいたいなと思いつつやってますね。
岩本アナ- 素晴らしい心がけですね。藤田さんも長期間の育休を2回取られましたけど、キャリアと、仕事への向き合い方の変化とかあったりしますか?
藤田さん- 子どもが生まれる前までは仕事が全てという感じだったんです。でも育児を長期間してきたことで、全体を引いた目で見れるようになったかなっていうのは最近思いますね。それもある意味ワーク・ライフ・バランスなのかなと思います。
岩本アナ- やっぱりそれ以前は、仕事・仕事だけになってましたか?
藤田さん- 昔は仕事するしかないし、他にやることもないし、みたいな感じだったと思います。今はもうちょっと全体を俯瞰して物事を考えられるようになりました。
岩本アナ- 時間の使い方の分配が変わったからなのかもしれないですね。独身の時は仕事に100%注ぎ込んでもやっていける中で、仕事40%、家庭40%、自分のことは20%みたいにバランスを取らなきゃいけなくて、ちょっと一歩引いた目線ができるというか。
藤田さん- そうですね。今でも育休中にやっていた家事育児のリズムをそのまま引き継いでいて、家にいる時間は育休中の過ごし方と同じような役割分担で過ごしてます。特に取り決めたわけじゃないけどそれが続いているので。
岩本アナ- 子どもがある程度成長して、手がかからなくなったら逆にリズムが崩れるかもしれないですね(笑)。
藤田さん- そうですね。そうなったらまたもう一回人生を見つめ直す必要があるかもしれません(笑)。
一同- (笑)。
効率化のカギは、工夫とコミュニケーション

岩本アナ- でもみなさん、実際忙しいのは忙しいですよね。伊藤さんもなるべく効率を上げて、早く帰るようにしているとおっしゃってましたけど、具体的にはどのような行動によってそれが可能になるんですか?効率化って一人の心がけだけじゃ難しいですよね。
伊藤さん- そうですね。手を抜くというわけではないんですけど、以前はかなり根詰めて仕上がりのいいものを作ろうとしていたのを、そうしなくても十分だと感じることが多くなってきて、そこで仕事量の調整ができているんじゃないかなと思います。考え方次第でそこまで時間をかけなくてもできるようになったといいますか。
岩本アナ- なるほど。みなさんはどうですか?業務効率化について、自分の職業に合わせてこんな工夫があるとか、ぜひ伺いたいと思います。
後藤さん- 僕の場合だと、例えば19時までなら19時までと決めて、そこまでにやれる作業を段取りして、その時間までに終わらせるように集中してます。
岩本アナ- なるほど、時間を決めて、集中力を高めるということですね。重要ですよね。
出川さん- 僕は日々のニュースとか締め切りのあるものを優先して作業をこなして。で、分からないことが出てきた瞬間にすぐ上司に聞きます。悩んでてもしょうがないのでアドバイスをもらって。 あとはどの作業にどれだけ時間がかかったかを日々記録してるんですけど、過去のデータが溜まっているので、この作業にはどれだけの時間がかかるから、じゃあその時間をここで確保しようっていうので効率化のヒントに繋げています。
岩本アナ- すごいですね。わからないことを上司に聞くというのが近道になるというのはどの業界でも同じかもしれませんね。
出川さん- もともとは上司とか先輩とか上の立場の方々に意見を聞くのが結構苦手なタイプなんですけど、そんなこと言っててもしょうがないというか。それこそ子どもに会うため、早く帰るためにも、効率よく仕事をこなすという感じですね。
岩本アナ- わからないことを自分で考えていても時間だけが過ぎると。
出川さん- やっぱり先輩方はたくさんの引き出しを持ってらっしゃるんで、自分の考えを伝えた上でのアドバイスをもらうとそこですり合わせもできて、どんどん効率良くなっていくと思います。
岩本アナ- そうすると上司や周りの仲間も、出川さんが何を考えているかが日々の業務で伝わるから、自然と共有にもつながっているので、仕事もスムーズに進みますよね。
藤田さんは仕事の効率化に関してどうですか?
藤田さん- 育児があったからというより、今までは「効率化しよう」ってそこまで強く思っていなかったんですよね。ついダラダラ続けていたところもありました。うちはチームでやる仕事が多いので、「どうやったらみんなで上手く回して、早く終わらせられるか」を最初に考えるようになりましたね。業務の細かい進め方が変わったというよりは、どうやったら早く終わるかを考えるきっかけが増えた。そんな表現が自分にはしっくりきています。
岩本アナ- 若いときは効率良くやろうなんて考えもしないというか。でも、それこそ若いチームメンバーにはそんなこと考えない人もいますよね。その時はどのように伝えますか?
藤田さん- ああ、それは結構、具体的な業務の進め方の話になりますけど、うちではタスクを細かく分割して、誰が何をやるかを1週間単位で決めて進めていくんです。それに、そうは言ってもみんなやっぱり早く帰りたいはずなので「こういうやり方もあるんじゃない?」という効率の良い作業のための提案を自分からも積極的にするようにしています。
岩本アナ- なるほど。土井さんはどうですか?
土井さん- 私の職場はみなさんと少し違って、早番・遅番・夜勤といったシフト制の仕事で、基本的には定時で上がれます。ただ、そこで大事なのは、効率化もそうですけど、職員同士のコミュニケーションなんです。 情報共有がうまくいかないと、仕事がずれ込んで後の人に迷惑をかけてしまいますから。だからこそ、まずはお互いにしっかり話をして、情報を共有した上で、利用者さんへの支援に還元していく。そこを大切にしています。
岩本アナ- やっぱりカギはコミュニケーションなんですね。
土井さん- あとは法人がICT活用にかなり力を入れているのも大きいです。 例えば、インカムで常に職員同士がつながっていたり、全個室のベッドに睡眠センサーが入っていたり。モニター越しに利用者さんの呼吸や体調の変化がパッと確認できるので、わざわざ何度も見回りに行かなくても、異変にすぐ気づけるんです。その仕組みがあるからこそスムーズに業務を交替して、気持ちよく帰れるんだと思います。それがうちの法人の強みですね。
段取り力と共感力。育児経験が仕事に活きる

岩本アナ- では効率化の観点で、逆にみなさんが育休中に家事や育児で身に付けたその段取りの良さが、仕事の役に立った経験とかあれば聞かせてほしいんですが。
土井さん- 自分の場合は、仕事と家事が自分の中でうまくつながっている感覚ですね。当法人が運営する福祉施設は、「家の延長のような生活」を支えるのがベースで、食事の片付けをして、洗って、乾燥機に入れて、という動きは、家でも仕事でも共通なんです。生活を支える根っこは同じ。仕事と家事が日常としてリンクしていることが、自分にはプラスになっているなと感じます。
岩本アナ- 例えば家で効率の良い皿洗いの方法を見つければ、職場でも活かせると。
土井さん- そうなんです。逆もしかりで。
岩本アナ- 僕の場合だと特殊かもしれないですけど、仕事で小学校とかに絵本の読み聞かせに行くんですが、アナウンサーの中で一番子どもとの接し方がうまい自信があります(笑)。「あ、あの子飽きてきてるな」といった空気がパッと見てわかるんですよね。そういう時は「これ何が見える?」と声をかけたりして。家でわが子に読み聞かせしているからこそ、自然と身についた目線なのかなと思います。
出川さん- 僕も年長の園児さんに将来の夢を聞く番組作ってるんですけど、子どもとの接し方は社内で一番うまい自信があります(笑)。子どもにインタビューするとき、「どうだった?」って聞くと「楽しかった」の一言で終わることが多くて。その言い方だと放送では使いづらいので、「何がどう楽しかったですか?」とか子どもが答えやすい聞き方に変わったなと思います。
岩本アナ- わかります。やっぱり日頃から子どもと触れ合っていると変わってきますよね。
出川さん- そういった意味では、子どもとの接し方がうまくなったおかげで、仕事で関わる子どもにも楽しんでもらいつつ、良い映像が撮れたりするので、業務に活かせているなと思いますね。
岩本アナ- ありますね。これは放送局あるあるなのかもしれないですね。
出川さん- あとは家事の段取りで言うと、うちは一日に2回洗濯機を回すんです。まず風呂に入る前に脱いだものを入れて1回目を回し始める。その間に風呂や皿洗いを済ませるとちょうど1回目が終わるので、干して、2回目を回す、みたいな。
この段取りを仕事に置き換えると『自分以外を動かすこと』を優先することにつながるんです。例えば、自分の原稿を書くよりも先に、まずは後輩の原稿を見る。そうすれば、後輩がすぐに次の作業に動けるので。視聴者投稿の原稿も、先に自分が目を通せばアルバイトの子に渡して仕事を進めてもらえる。まず人を動かす仕事を優先して、最後に自分の原稿に向き合う。家事で培った『全体の流れを止めない』という考え方が、仕事の進め方にも活きているなと感じます
岩本アナ- 自分軸のタイムスケジュールじゃなくて、同時進行的に他で進んでいることを考慮したスケジュールが立てられるようになったと。育休、子育てで鍛えられたスケジュールの立て方ということですね。
藤田さんはどうですか?
藤田さん- 最近、子どもが喋れるようになってきて感じるのは、子どもに何かを伝える時って、すごく表現を工夫しますよね。どう言えば伝わるか、どう言えば優しい言い回しになるかとか。そうやって子どもと向き合う中で、相手に伝わりやすい言葉を意識するようになったことは、自分の変化かなと思います。
岩本アナ- 確かに。自分の子どもが聞いても分かるように他の人に言えば伝わりやすくなりますよね。 後藤さんは何かありますか?
後藤さん- 直接的には思いつかないんですけど・・・。
岩本アナ- 少し考え方を変えて、建築していく上で、子どもに優しい設計を意識するようになったりとかは?
後藤さん- ちっちゃい子が使う施設に携わったことはあまりないんですけど、そういうのをやっている現場を気にして見たりしますね。壁を透明にして中が見えるように工夫してあったりとか。
岩本アナ- じゃあ後藤さんのような方を現場に入れれば、子育てに優しい施設がどんどん島根県にできていくと。
後藤さん- そうなるはずです。
一同- (笑)。
職場の「良い循環」が若手の安心感に繋がる

岩本アナ- 最後のテーマは「これからの自分、そして次の世代へ」です。僕たちが育休を取って終わりではなく、これからの人たちが当たり前に取っていけるように、アドバイスや「こんな制度があったらいいな」といったお話を聞ければと思います。
土井さん- 私の職場は男女問わず育休への理解がすごくあるんです。制度が変わるたびに会社がさらに手厚い内容を上乗せしてくれますし、ベテラン層の方たちは「自分たちの時は取れなかったけど、今は制度があるんだからぜひ使いなさい」と背中を押してくれます。独身のスタッフも先輩たちが育休を取る姿を見て「この職場なら自分もいつか安心して子育てができる」と未来を描けていると思います。
岩本アナ- 本当に良い循環になっていますね。藤田さんはどうですか?
藤田さん- そうですね、うちの会社でもすでに「男性も育休を取るものだ」という文化はかなり根付いていると感じています。 ただ、取得は強制ではないと思うんです。大事なのはその人の家庭の都合やワーク・ライフ・バランスの考え方に合わせて、存在する制度をフルで、かつ気兼ねなく使えることかなと。一人ひとりの状況に合った休み方ができることがこれからの職場にとって一番望ましい姿なんじゃないかなと思ってます。
岩本アナ- 選択肢がある状態が重要なんですよね。たぶん育休が根付いていないところだと、取るっていう選択肢もないですから。
藤田さん- すでにもう「男性も育休を取っています」ということだけでは、会社の差別化にならない時代になってきたんじゃないかな、とも感じています。 今日こうしてさまざまな業種の方が集まっているのもそうですし、僕の義理の弟は小学校の先生なんですけど、担任を持ちながら2学期をまるまる休むといった取り方をしてました。そのぐらい世の中全体で「育休は当然」。その上で、それぞれの家庭に合わせた休み方が選べる、そんな状態になっていくんじゃないかなと思っています。
「送り出す側」への感謝と、サポートの重要性

岩本アナ- たしかに。出川さんはいかがですか?
出川さん- 僕らは育休を取らせてもらった側ですが、その間、現場を支えて苦労してくれたのは先輩や同僚たちですよね。 現場のみなさんは僕に不満を言うようなことは絶対にないですし、制度を整えてくれた総務や会社の方々の力があってこそ育休が取れました。だからこそ周りへの感謝は忘れてはいけないし、今度は自分が送り出す側になった時、気持ちよく送り出してあげたいですね。
岩本アナ- 本当にそうですね。実際には取得者の周りがその分忙しくなるのも事実なので、次のステップとして残ったメンバーへの手当とかも大事になってくるかもしれないですね。その部分の重要性というのはこの取材を通してもよく話に出てきました。
藤田さん- うちは確か同じ部署内で育休を取った人がいれば、残った人に手当が少し出るという制度が確か去年ぐらいにできたような・・・。
岩本アナ- 取材のときにも少し話に出てきましたよね。確かにそういう手当があると当事者も取得しやすくなりますよね。松江土建さんも何か制度がありましたよね?
後藤さん- 残った人への手当は今現在はありませんが、家族手当や出産祝は数年前に大幅に改訂されました。
岩本アナ- そうだ、松江土建さんは出産祝いがかなり手厚くもらえるんですよね。
後藤さん- そうですね。生まれたら祝い金として20万円。第三子だと30万円で、第四子以降は50万円です。
一同- すごい!
土井さん- 今から松江土建さん入らせてもらえるかな(笑)。 冗談ですよ。
ライフイベントに寄り添う。育休、介護、そしてお金の話

岩本アナ- やっぱり子どもが生まれると、それこそチャイルドシート増やしたりだとかお金がかかりますもんね。使い回しできるものもありますけど、人数分いるものもありますしね。
土井さん- 増えていくものもいっぱいあります。
岩本アナ- 土井さんも今まさに準備が結構忙しいんじゃないですか?
土井さん- いえ、まだ具体的にはまったく動いてないです。あの、3人目の余裕というか。
一同- (笑)。
土井さん- でも私の職場も松江土建さんほどじゃないですけど、出産の手当てももらえますし、育休だけじゃなくて、親御さんのケアが必要になった時に、介護休業を1か月ほど取ったケースもありました。そうやって育児でも介護でも、制度を使いながらみんなが休める仕組みができています。
岩本アナ- 素晴らしいですね。あとは育休を取られている間の収入の問題もありますよね。給付金があるので最低限の収入は入ってきますけど、それこそ藤田さんなんて、6か月取られていたので大変じゃなかったですか?
藤田さん- そうなんです。やっぱり1回目も2回目も6か月間だった理由っていうのが、国の制度で、給付金が6か月までは67%、それ以降は50%になるからというのがあって。例えば1年間100%だったら絶対1年間取ってたと思うので。
岩本アナ- そう、途中で減っちゃうんですよね。
出川さん- それもそうですし、入ってくるのもちょっと遅れるじゃないですか。どうしても苦しい時期がありますよね。
岩本アナ- そうですね。僕も3か月取ったんで、貯金を切り崩し生活をする時期がありました。あと、育休期間中はボーナスの査定も減るんですよ。その間は査定外で。それもあって年間の収入としてはガクッと下がったのでやっぱり大変でしたね。
藤田さん- それで言うと、ちょっと使えるか分からないんですけど、お金の話で一つあって・・・。
岩本アナ- (笑)。いいですよ。そういう話をする場なので。
藤田さん- 僕、1人目の育休中に家を建てようと思って、住宅ローンの審査を出したんです。でも、前の年の秋から育休に入っていたので、源泉徴収票の額面がどうしても少なくなっていて。
岩本アナ- なるほど。
藤田さん- 対応は銀行によって本当にまちまちでした。ある銀行は「その源泉徴収票で審査します」という回答でしたが、別のところは「直近6か月分の給与明細とボーナスの明細を持ってきてくれれば、12ヶ月分に按分して、見込み年収で査定しますよ」と言ってくれたり。
岩本アナ- その時期を基準で見られるとどうしてもね。
藤田さん- 建てる時期をちょっとミスったかなと思いつつも、まぁでも年々値上がりしてるからな、というのもありつつ。そこは住宅ローンの審査を始めて分かったところで。融通が利くところ、効かないところがあるっていうのがあるんだなっていうところは気づきでした。
土井さん- でもそれは結構大切なところですね。カットせずに記事にちゃんと入れてほしいですね。
一同- (笑)。
切実な「もっとお金がほしい」。ポジティブな乗り越え方

岩本アナ- でも本当に収入が減りますから。出川さんはどうでした?
出川さん- 本当にそうです。やっぱり世帯収入もガクッと減るので、もう第一に思うことは、「やっぱお金欲しい」ってことでした。
岩本アナ- そうですよね。
出川さん- うちも貯金を切り崩しながらだったんで。一時金もあるけどそれだけじゃすぐミルク代でなくなるし、どうしようかっていう状態だったので。だからリアルで言うと正直に「もっとお金欲しい」ってことでした。
岩本アナ- 本当にそうですよね。家賃も67%になるんだったらいいですけど。
一同- (笑)。
出川さん- ですね、支払うもの支払って残ったお金って本当に数万円とかで。やっと1か月間であれば手取り100%の給付金制度ができましたけど、もっと期間が伸びていくと嬉しいですよね。
岩本アナ- 国の財政状況も難しいと思いますけど。・・・ぜひこの座談会の皆さんの声が届けばいいですよね(笑)。
出川さん- よろしくお願いします!(笑)。今回その100%の期間が1か月(28日間)だったので、1か月取れましたけど、100%の期間が伸びるんだったら、藤田さんと同じように3か月でも6か月でも1年でも取りたいと思ってたので。
岩本アナ- ただそのお金の心配を何とか乗り越えて今があるじゃないですか。それをどう乗り越えたかってみなさんどうですか?
出川さん- うちは今まだ乗り越えている最中なので(笑)。 まだまだ頑張らないといけないんですけど、第一子、第二子合わせてのマイナスから徐々に貯金に戻していこうという時期にようやく入って、ちょこちょこ戻しているっていう時期ですね。
岩本アナ- 僕も3か月でだいぶ貯金が減りました。
土井さん- 私はちょっと楽観的すぎるのかもしれませんけど、貯金が少しずつ減っていくのを見ながらあまり気にしていなくて。というのも、独身時代に趣味にお金を使い込んでいた時期があったので、その時に比べれば今の減り方なんて全然マシだなって(笑)。遊びに使っていた分をセーブすればなんとかなるかって。お金は確実に減っていくんですけど、自分を律して生活を整えていくための、大切なステップになったと感じています。
人手不足の壁を「グループ間交流」で突破する

岩本アナ- ポジティブですね(笑)。でもやっぱり収入が減るという現実はみなさん共通の悩みですよね。家庭によっては「夫が働かないと生活が回らない」という切実なケースも当然あると思います。他に「もっとこうなればいいのに」という制度面への要望や、ケアしてほしかった点などはありますか?
伊藤さん- うちの場合、正直なところ現場の人手不足感は否めません。私が取得した時はちょうど業務の切れ目でスムーズに引き継げましたけど、誰か一人でも欠けたら回らないほど忙しい時期だと、「厳しいかも」と思ってしまう自分もいます。代わりの人材を確保するのは簡単じゃないですが、例えばうちのようなグループ企業だと、グループ間交流で一時的に人員を補填し合えるような仕組みがあればいいなと思います。今はまだそうした枠組みがないので、これからの大きな課題だと感じてます。
岩本アナ- 慢性的な人手不足の中で、どこも余剰人員なんていないのが現実ですよね。先ほどの「グループ会社からの応援」というアイデア、実際に会社へ提案などはされたんですか?
伊藤さん- 実はちょうど先週、グループ企業間の発表の機会があって、人材交流の話をしてきました。
岩本アナ- おお!あとは経営層の判断でどう動くか、という段階でしょうか?
伊藤さん- 今年度は、昨年の各チームディスカッションの提案を踏まえた各社の取組について報告があったので、来年の今頃は、「その後の取組」について聞けるのではないかと期待しています。
岩本アナ- 良い展開を期待したいですね。そのようにグループ間で助け合える会社もあれば、そうでない会社もある。残ったメンバーでどう現場を回していくかは、僕たち現場の人間だけでなく、会社、そして自治体も含めて総出で考えていくべき課題ですね。
「取ってよかった」を支える、子どもとの絆

岩本アナ- もし社内で『育休を取ろうかな』と迷っている人がいたら、期間とかはどうアドバイスしますか?さっきのお金の話にも関わるかもしれないですけど。
藤田さん- やっぱり6か月間は一つの基準になるかなと思います。 でも育児をしてて思ったのは、特に大変なのは最初の4か月ぐらいで、5か月以降、1歳になるまでは一瞬ちょっと楽になる期間があるということで。
岩本アナ- ちょっと手のかからなくなる時期がありますよね。しっかり寝るようになって。
藤田さん- そうですね。それで、離乳食が始まって歩き始めたらまた1歳から2歳の期間も意外と忙しくて。月齢が低いからといって大変だとも一概に言えないなっていうのは取ってわかったところでした。
岩本アナ- もっと自由に取れる期間とかを選べるようになると良いかもしれないですね。
藤田さん- 業種とか仕事の都合もありますよね。繁忙期がある職種とかだったら、そこは必ず出社して前後で休むとか。逆に僕の職種だと、1年とか半年とかのプロジェクト単位で人がアサインされるので、細切れで出社してもしょうがなくて。
岩本アナ- 2週間働いて、2週間取って、を繰り返す方が良いっていう人ももちろんいますよね。 取りやすさとお金の面と。まだまだ改善できるところはありそうです。
それでも僕たちは少なからず取って良かったと思っている・・・思ってますよね?
一同- (笑)。
藤田さん- 間違いないです。
岩本アナ- それはなぜかと考えると、なぜ取って良かったなと思うんですか?
伊藤さん- やっぱり子どもの懐き具合が、取ってなかった1人目の時と全然違うなと。
一同- (笑)。
伊藤さん- まぁ、1人目も2人目も間違いなく母親がナンバーワンなんですけど。それでもナンバーツーでいられてるというか。大好きなおじいちゃんおばあちゃんが一緒の時も「いや、パパと寝る」って言ってくれるので、やっぱりちゃんと育休取って一緒にいた期間があったからかなって。
全力で向き合った時間は、一生の宝物

岩本アナ- それはあると思いますよ。土井さんはなぜ取って良かったなと思いますか?また次の機会も取られる予定だということですけど。
土井さん- そうですね。やっぱり育休中に子どもと接する時間をしっかり持つことで、子どもが自然と懐いて、安心して身を預けてくれる存在になれているなと感じています。仕事から帰って疲れた状態で形だけあやすのと、育休取って全集中で子どもと向き合うのとでは、やはり伝わり方が違うと思うんです。そのおかげか、下の子もぎゅっとくっついてきてくれるようになりました。3人目が生まれた時も、またそうやって深く関わりたい。それは僕の切実な願望ですね。
岩本アナ- 子どもからの信頼を感じるというか。
土井さん- そうですね。育休を取ったから、それが獲得できたのかなと思っています。いいように解釈してますけど(笑)。
岩本アナ- 後藤さんはどうですか? あらためて、育休を取って良かったと思うのはどんなところでしょうか?
後藤さん- 妻が母乳だったので、夜も2時間おきに起きるんですけど、妻が授乳したあと寝かしつけるのが僕の役割だったんです。夜通しそれを繰り返すことで妻もしっかり休むことができたみたいで「すごく助かった」と言ってくれて。そんな大変な時期を一緒に乗り越えたことで、家族としての絆がより強くなったと感じています。
岩本アナ- そこを取ってなかったら「あの時何もしてくれなかったね」という会話になっちゃうってことですよね。 今はあの時いてくれて助かったといういい思い出になっているということですよね。
出川さんはどうですか?
出川さん- そうですね。皆さんと同じような意見ですけれども、まず取ったことで、妻との関係性を見返すきっかけになりましたし、子どもがいることによって人生が豊かになって、これからの将来の楽しみが増え続けているんです。そう思えるきっかけが育休を取ったことで、短い期間でしたけどそこで一緒に過ごした時間があったからこそだなと。
岩本アナ- やっぱり、子どもとの時間や奥さんとの時間が自分の中で大切なものだという、その認識ができたということで、一生の思い出になったんですね。
出川さん- 大変だったっていう思いもその当時しか経験できないので、それを妻と子どもと一緒に家族4人で経験できたのがまた素晴らしいことなのかなと思いますね。
岩本アナ- 「大変だった」というのが、育休がなかったら奥さん一人だけの記憶になっていたかもしれないですもんね。
藤田さん、どうですか?
藤田さん- うちの子が「パパもママも家にいてくれなきゃ嫌だ」って言ってくれる、そんな今の状況が本当に幸せですし、両親ともに懐いてくれている関係を築けたことが、育休をとって一番良かったことだなと思ってます。0歳や1歳の時期というのは、子どもにとって家庭こそが世界のすべてですよね。その大切な時期に、100%の力で子どもと向き合って過ごせた。これは後からでは絶対にできないですから。あの時間を一緒に過ごせて本当によかったと、心の底から実感しています。
岩本アナ- 確かに子どもとの時間は長いようで短いですからね。
藤田さん- そうですね。ここからが怖いですね。どんどん距離が遠くなってしまうと考えると。悲しくなりますね。
岩本アナ- 皆さんのお話を通して、育休が「限られた期間にしか取れない、かけがえのない時間」であることが改めてよく分かりました。
お金の面や人手不足など、クリアすべき課題は確かにあります。でも、経験した全員が「取ってよかった」と胸を張れる。その思い出は、これから長く続く子育てにおいて、大きな支えになるはずです。
子どもの一歩一歩の成長をそばで見守る。その喜びがあるからこそ、「明日からまた家族のために、仕事も頑張ろう」という活力に繋がるんだと思います。
島根県の職場で働く男性の皆さんにも、ぜひこの一歩を踏み出してほしい。今日、皆さんの前向きな言葉を聞いて、その想いを改めて強くしました。
みなさん本当にありがとうございました。
取材日:2025年11月18日
